【LPG発電機】非常用電源の燃料|LPガスが災害に強いと言われる理由を解説

2022年10月5日

非常用電源にはガソリンや石油を燃料とする発電機をはじめ、電気を蓄える蓄電池やポータブル電源などがありますが、この記事では、非常用電源の中でも「災害に強いエネルギーと言われるLPガスを燃料とするLPG発電機」について解説をします。

この記事を読んで頂くことで・・

記事のポイント

 LPガスが災害に強いと言われる理由

 パニック買いが起こらない理由

 LPG発電機が非常用電源にもっとも適している理由

が、分かります。

非常用電源を検討したい・BCP対策を進めたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

読んで欲しい方

 中小企業の代表者の方

 サテライト型の老健施設を運営している企業の方

 診療所を経営されるDoctor

 3日以上の停電対策を検討したい店舗オーナー若しくは個人の方

LPガスが災害に強いと言われる理由

先ずは、LPガスが「災害に強いと言われる理由」について解説をします。

「備蓄」が法律で義務付けられているエネルギー

知らない方も多いと思いますが、日本では「備蓄する事を法律で義務付けられているエネルギー」が2つあります。

それは、石油とLPガスの2種類です。

また、これらの備蓄に関しては・・

ここでのポイント

 民間備蓄(法定備蓄)・・輸入量の40日分に相当する量

 国家備蓄・・輸入量の50日分程度に相当する量

このような定めがあります。

ここがポイント

令和3年度に於いては、民間備蓄:70日分・国家備蓄:53日分のLPガスが国内では備蓄されています。

このように法律で備蓄が義務付けられているため、世界情勢不安で輸入が不安定となった場合でも数カ月分の蓄えがあるので安心です。

分散型のエネルギー

LPガスはガスボンベ(シリンダー)に充填されたものを届ける事が可能です。

その為、運搬する手段さえあれば即時使用が出来ることもあり、災害時には真っ先にLPガスが仮設住宅等へ運ばれます。

また、避難所等に指定されている場所に於いては「平常時でもLPガスを使用」している事も多く、学校や公民館などはその代表例です。

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半永久的に使用できる

石油とLPガスは法律で義務付けられているエネルギーだとご紹介しましたが、石油を個人が備蓄するのはおすすめ出来ません。

個人で石油を備蓄することをおすすめしない理由は・・

石油は備蓄には不向き

 空気に触れると酸化する

 紫外線に弱い

 保管場所が高温になると石油の性質が変化する

 湿気が多いと水分が混入する

このような理由から、石油の場合は6カ月程度を目安に交換する必要があるとされています。

一方、LPガスの場合は密閉されたボンベ(シリンダー)に充填されている事もあり、空気に触れる事や湿気か混入する心配がなく、半永久的に使用する事ができます。

パニック買いが起こらない⁈

2021年にイギリスでは深刻なガソリン不足に見舞われ「パニック買い」が発生し、連日のようにガソリンスタンドには長蛇の列が出来ました。

しかし、LPガスの場合はこのようなパニック買いも起こりにくく、ガソリンや軽油のように「品不足」となる可能性は殆どありません。

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※イメージ

ガソリンや軽油は多くの車の燃料になっていますが、LPガスを燃料にしている車両と言えば「タクシー」が中心です。

そのため、LPGスタンドに行列ができるような事も無く「パニック買いが発生しにくい」と言われています。

LPG発電機が非常用電源にもっとも適している理由

LPG(LPガス)は備蓄することが法律で定められていることもあり、民間備蓄と国家備蓄を合わせると全体のLPG輸入量のおよそ120日分が常備されています。

そのため、LPG(LPガス)を燃料とする「LPG発電機」については、それらの燃料で電気を作る事ができるため、LPG発電機があれば災害時に於いても平常時と変わらず電気を供給する事が可能になります。

軒下在庫が豊富

LPガスはおよそ2,400万世帯が使用している(ガス需要全体の凡そ半分)のですが、ガスボンベ(シリンダー)は予備を含めて2本設置が一般的です。

その為、2400万世帯にはLPG(LPガス)の予備がある計算となるため、LPG発電機を停電しているエリアに運ぶ事が出来れば、ガスボンベの数だけ電気の供給をすることが可能になります。

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ここでのポイント

 参考1)LPG発電機で、1時間に6.8kWを出力した場合 → 50㎏のボンベ1本で → 17.5時間使用する事が出来ます。

 参考2)一般家庭の1日の電気使用量(平均) → 18.5kWhと言われます

50㎏のガスボンベが「1本」あれば、凡そ6世帯分の1日の電気を供給する事ができます

LPG発電機が6軒に1台あれば、6日分の電気を確保する事が出来る計算ね!

このように、日本にはLPG(LPガス)のストックが法定備蓄分以外にも多く存在していることもあり、LPG発電機を電源車・トレーラーとして被災地に届ける事が出来れば、電気の供給を即時に開始させる事が実現可能となる訳です。

※電源トレーラーに関する記事はこちら⇩⇩⇩をご覧ください。

合わせて読みたい

LPGの調達は「中東依存度」が低い

原油の輸入に関して、サウジアラビアやUAEなどへの「中東依存度は凡そ90%」と高く、中東情勢が不安定になる事で原油の調達がたちまち難しくなります。

ところが、LPG(LPガス)は近年、アメリカやカナダからの輸入が増加している事もあり、中東依存度は2007年の91%をピークに2020年度には約13%まで低下しています。

また、調達の安定化を図るため、東ティモールやオーストラリアなどからも調達をするなど「多角化」も進んでいます。

それと政府が定めるエネルギー基本計画(令和3年10月22日閣議決定)に於いてもLPガスは・・

エネルギー基本計画

 自家発電設備等を備えた中核充填所の新設や設備強化を進める

 避難所や医療・社会福祉施設等の重要施設における燃料備蓄などの需要サイドにおける備蓄強化を進める

と記されており、LPガス備蓄については現在の水準を今後も維持される事が期待されます。

LPG発電機の導入が進んでいる施設等

LPG発電機の需要が今後は高まっていくと予想される中で、導入される企業・個人の方が徐々に増えています。

ここでのポイント

 企業のBCP対策用の非常用電源として

 サテライト型の老健施設

 診療所(病床数が19以下の医院・クリニック)

 生鮮食品を取り扱う店舗

 ペットショップ

 個人の自宅

導入を検討されるエリアによっては助成金・補助金の申請をすることが出来るため、そちらも併せて検討される事がおすすめです。

まとめ

この記事では【LPG発電機】非常用電源の燃料|LPガスが災害に強いと言われる理由について解説をしましたが、ポイントを整理しておきます。

記事のまとめ

 LPガスは法律で備蓄が義務付けられているエネルギー

 民間備蓄(法定備蓄)と国家備蓄があり、現在の水準では輸入量の120日分相当の備蓄がある

 LPガスは唯一の分散型エネルギー

 LPガスは半永久的に使用することが出来る「劣化しないエネルギー」

 パニック買いが起こりにくい

 軒下在庫が豊富にある

 中東依存度が極めて低い

 国家のLPガス備蓄量は今後も今の水準は維持される

本文では、LPG発電機についての具体的な内容について解説をしていませんが、先の画像にあるLPG発電機を基準に試算を行いました。

同機種に於いては、LPG(LPガス)の発電と併せて都市ガスでも電気を作る事が出来る「ハイブリッド型ガス発電機」です。

万が一、停電が発生した場合でも都市ガスエリアであれば電気の供給が途絶える事が無く、都市ガスを燃料に発電をすることが出来るのですが、都市ガスの供給が途絶えた場合でも「最後の砦」として、常備されたLPG(LPガス)で電気を供給してくれる非常用電源です。

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国内では、取扱い業者がかなり少ない事もありまだまだ供給が追い付かない状況ですが、ご興味のある方は、ぜひお問合せください。

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    ・車載サブバッテリーの販売及び施工
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