【防災・停電対策】LPガス発電機とポータブル電源の連携|マルチトレーラーへ搭載

2022年8月8日

防災対策・停電対策用にポータブル電源を検討される方や実際に購入される人は増えているのですが、それでも、実際に行動にまで移せている方は少ないのかも知れません。

下のグラフは2022年2月に伊藤忠商事が実施した「大規模停電の防災対策実態調査:引用元はこちら」の一部を抜粋したものですが「停電の為の備えは足りているか?」の問いに対する回答をまとめたものです。

※ 2022年2月18日(金)~ 20日(日):数値は「伊藤忠商事が実施した大規模停電の防災対策実態調査より」引用

ここ数年の間、日本各地で大規模な停電がいくつも発生しましたが、個人レベルでの停電対策については「少し足りない・全く足りない」と回答したのは全体の81.1%と、まだまだ停電に対しては他人事のように感じている方も多いようです。

また「その理由」については、具体的な対策が分からないと回答した方が最も多く、次いで多いのが「長期の停電が起こる気がしない」との回答でした。

※ 2022年2月18日(金)~ 20日(日):数値は「伊藤忠商事が実施した大規模停電の防災対策実態調査より」引用

このような結果を客観的にみると、大規模な停電や災害が発生した時に「電気が無くて困るであろう人」は未だに多数派を占めている事が想像できます。

そこでこの記事では、【防災・停電対策】LPガス発電機とポータブル電源の連携|マルチトレーラーへ搭載について解説をします。

記事のポイント

 LPガスの耐久性

 LPガス発電機のとポータブル電源の連携

 電源トレーラー

LPガス発電機と電源トレーラーにご興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

災害に強いエネルギー

「災害に強いエネルギー」と聞くとLPガス(プロパンガス)と言われる方は少なくありません。

その理由はそれぞれ違うかも知れませんが、世間に広く周知されたのは「東日本大震災」に於いて、自衛隊などが各地に備蓄されていた「LPガス」を用いて、暖房や炊き出しを行った事で多くの命を救った事だと言われています。

また下の表は、近年に発生した主な災害に於けるインフラ復旧までの期間をまとめたものですが、復旧が早いとされる「電気」でも、完全復旧までには数日~数カ月の日数を要した事が分かります。

主な災害 \ インフラ停電戸数電気水道ガス
東日本大震災(平成23年)466万3日後:80%復旧
3ヵ月:完全復旧
7日後:57%復旧
6ヵ月:完全復旧
2ヵ月:完全復旧
熊本地震(平成28年)48万5日後:完全復旧7日後:90%復旧
3.5ヵ月:完全復旧
15日後:完全復旧
北海道胆振東部地震(平成30年)295万2日後:99%復旧
1ヵ月:完全復旧
1ヵ月:完全復旧被害なし
※過去の停電に於けるインフラ復旧に要した日数

ところが、LPガスの場合を例に挙げると、家庭用で使用する際は「ガス切れ」が起こらないように予備のガスボンベが常に1本設置されています。

そのため、万が一の災害が起こった場合でも、「予備の1本」があれば家族が一ヵ月程度は生活が送れる備蓄量となるのです。

このような事から「LPガスは災害に強い」と言われています。

LPガス(LPG)の耐久性

LPガスのように「単独で使用(電気などを使わず)」することが出来るエネルギーを「分散型エネルギー」と呼ぶことがあります。

また、発電機などに使用される軽油なども「分散型エネルギー」として分類されるのですが、LPガスと軽油では保存期間に圧倒的な差があるのです。

LP-gas-used-in-generators
※LPガス(ボンベ・シリンダー)

ここでのポイント

 軽油の保存期間・・6カ月(石油連盟が推奨する期間) 長期保管をすると酸化する

 LPガスの保存期間・・ボンベに充填される中身(ガス)については寿命が無い

 ボンベ自体に点検期間なのどの定めがある

 10㎏以下のボンベ:6年に1度の保安点検(製造から20年以上のもの:2年に1度)

 15㎏以上のボンベ:5年に1度の保安点検(製造から20年以上のもの:2年に1度)

軽油もLPガスも同じ「分散型エネルギー」とされてはいるものの、保存可能な期間に大きな差があることからもLPガスは災害に強いエネルギーとされています。

LPG(LPガス)発電機

LPガスの耐久性についてはご理解頂けたかと思いますが、このような耐久性の高いLPガスを燃料に電気を発電するのが「LPガス発電機」です。

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LPガス(ボンベ)を備蓄することで、大規模な停電が発生した場合でも最低限の電気を確保する事が出来るため、LPガス発電機は防災対策・停電対策用としては非常に優れています。

また、発電機には「軽油やガソリン」を使用するものも多いのですが、これらの燃料は長期保存が出来ない事から「防災対策・停電対策」にはあまりおすすめ出来ません。

LPガス発電機のデメリット

LPガス発電機は長期保管に於いても優れた一面がある一方で、デメリットも当然あります。

軽油やガソリンを使用する「全ての発電機」に於いて言えるのですが・・

ここがポイント

デメリット:排気ガスと騒音

この2つが「発電機の大きなデメリット」です。

発電機だけを比較した場合はLPガス発電機に軍配が上がるのですが、何れも屋内での使用が出来ない事がデメリットになるのです。

LPガス発電機のデメリットをポータブル電源でカバーする

LPガス発電機のデメリットは「排気ガスと騒音」になるのですが、それらのデメリットをカバー出来るのが「ポータブル電源」です。

ポータブル電源は排気ガスを出さないこともあり屋内使用が主な目的となるのですが、騒音が出ない事も大きなメリットです。

Portable-power-supplies-used-in-conference-rooms
※会議室で使用されるポータブル電源

※消費電力の大きな家電を使用する際は「廃熱ファン」の音がしますので、「全くの無音」と言う事ではありません。

しかし、LPガス発電機と同様にポータブル電源も幾つかのデメリットがあります。

ポータブル電源のデメリットは?

 ポータブル電源に蓄えられる電気には限りがある

 充電切れが起こると使用出来ない

 ソーラーパネルで充電する事が出来るが時間がかかる

LPガス発電機の場合は、ガスボンベのストックがあれば使い続ける事が出来るのですが、ポータブル電源の場合は「本体に蓄えられた電気」がそもそもストックになるので、容量(蓄える事が出来る電気の量)次第では、全く使い物にならない事も考えられます。

LPガス発電機とポータブル電源を併用

LPガス発電機はボンベの数に応じて電気を供給できる反面、屋内での使用は難しく、また、騒音の問題がある事から「使用出来る場所」は限られます。

その為、本体の設置場所は屋外に限定されるのですが、通常の設置方法であれば「LPガス発電機と建物の分電盤を接続」するので、停電が発生しても建物内部にはLPガス発電機から電気を供給する事が出来ます。

ただ、このような設置方法の場合は「1台の発電機に対して1棟の建物」に限定されるため、電気系統が分かれている「別棟の建物」については、LPガス発電機1台では電力の供給は出来ません。

その為、このような場合は「別棟にもLPガス発電機を設置」するか、別の手段を考える必要があります。

LPガス発電気でポータブル電源を充電

LPガス発電気で発電した電気をポータブル電源で必要な場所へ供給すれば、LPガス発電機の電力供給が賄えない場所もカバーする事が出来ます。

ここがポイント

LPガス発電機がポータブル電源を充電し、ポータブル電源が別棟の必要な場所へ電気を届ける

また、LPG(LPガス)発電気から供給される電気は、コードリールを使う事でも屋内へ供給する事が出来ます。

このような使い方をすればお互いのデメリットを補う事が出来るため、LPガス発電機とポータブル電源を併用する事は、災害現場に於いて最も有効的な手段となり得ます。

LPガス発電機の稼働目安

上図のLPガスボンベ1本でどの程度の家電を使用出来るのかについて、ここでは解説をします。

稼働の目安

 スマートフォンの充電 100台 1.0kW

 PC10台 1.0kW

 LEDベースライト30台 1.2kW

 ルームエアコン(2.8kW)3台 3.0kW

 冷蔵庫450ℓ1台 0.25kW

 合計 6.45kW (負荷率:75.9%)

※LPガスボンベ:50㎏のサイズ

これらの家電全てを同時に24時間連続利用する事ができるため、LPガスボンベのストックが3本あれば3日間に渡り、これらの電気を供給し続ける事が出来るのです。

マルチトレーラーに搭載

これまで解説をした通り、LPガス発電気とポータブル電源を連携する事ができれば、お互いの相性はとても良い事が分かりました。

そこで、これらの設備を1台のトレーラーに搭載する事で「電源・マルチトレーラー」として稼働させる事も出来るのです。

※LPガス発電機をトレーラー搭載した状態(イメージ)

マルチ電源トレーラーの特徴

ここからはマルチ電源トレーラーの特徴について解説をします。

マルチ電源トレーラーの特徴

 軽自動車で牽引可能

 牽引免許:不要

 トレーラーシャーシ:最大10年保証 ※販売店での車検により「2年毎の保証更新」

 雨天時にも使用可能なバンフルトレーラータイプも可能(オプション)

 LPガスボンベ用のエレベーター製作に対応(オプション)

 水没しない「フローティングシャーシ」(開発中)

設置ロケーション

 スーパー・コンビニエンスストア

 コインパーキング

 自動車ディーラー

 道の駅

 高速道路パーキング

 コイン洗車場

 市役所

 地方公民館 など

まとめ

この記事では、【防災・停電対策】LPガス発電機とポータブル電源の連携|マルチトレーラーへ搭載について解説をしましたが、最後にポイントを整理しておきます。

記事のまとめ

 LPガスは災害に強い

 LPガスは唯一、長期保存が出来る身近なエネルギーPLPガス)発電機のデメリットは「騒音・排気ガス」

 LPG(LPガス)発電機のデメリットは「ポータブル電源」でカバーできる

 LPG(LPガス)発電機とポータブル電源を併用で使用する事は停電対策には最も有効な手段

 LPG(LPガス)発電機とポータブル電源をトレーラーに搭載する事でハイパワー電源・マルチトレーラーを実現

 あらゆるロケーションに対応できる → 車1台分の駐車スペースがあれば工事不要で即実用可能

最後までご覧頂きありがとうございました。

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    • この記事を書いた人

    エンビューロ


    ★法人・個人事業主のポータブル電源専門店|エンビューロ
    ★事業内容
    ・法人・個人事業主向けポータブル電源専門店
    (個人の方は要相談)
    ・BCP対策用 補助金(助成金)申請業務全般
    ・医療用蓄電池
    ・LPG発電機(BCP対策用)施工管理
    ・屋外イベント向け大容量ポータブル電源各種
    ・車載サブバッテリーの販売及び施工
    ・EV充放電機
    ★専門分野
    ・ポータブル電源
    ・BCP対策全般
    ・車載バッテリー
    ・建築(戸建・収益・医院建築)
    ★保有資格
    ・宅地建物取引士
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    ・第二種電気工事士

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