個人の方をはじめ多くの企業に於いても「停電対策」が進んでいますが、この記事では「LPG発電機」と、それに使用される燃料:LPG(LPガス)を使用する非常用電源について解説をします。
この記事を読んで頂く事で・・
記事のポイント
LPGの基本的な事
非常用電源にLPG発電機をおすすめする理由
について知ることが出来ます。
この先、非常用電源の導入をご検討されている企業の方や、防災を担当されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

タクシー会社は知っている?
街中にあるガソリンスタンドで「タクシー」に出会う事が殆どありませんが、この理由をご存知でしょうか?
知っている方も多いかと思いますが、多くのタクシー会社では、燃料に「LPG(LPガス)」を使用しているからです。
その為、タクシーのドライバーは燃料が無くなると、一般的なガソリンスタンドでは無くLPガススタンドへ燃料補給へ向かいます。

では何故?タクシーの殆んどが「LPG(LPガス)」を燃料にしているのかについて、先に解説をします。
タクシー会社がLPG(LPガス)を使用する理由
タクシー会社がLPGを採用する理由は幾つかあるのですが、ここでは大きな理由を3つご紹介します。
ここがポイント
ポイント①:価格が安い
LPGは、ガソリンや軽油のような「ガソリン税・軽油取引税」と言った、特別に加算されるような税金がありません。
そのため、多くの車両を保有するタクシー会社ではLPGを燃料に選ぶ事で大きなコスト削減につながります。
ここがポイント
ポイント②:排気ガスの問題
LPGを燃料にしている車の排気ガスはとてもクリーンだと言えます。
例えば・・
窒素酸化物・・ディーゼル車の5分の1
浮遊粒子状物質・・実質ゼロ(検出できる限度以下)
ディーゼル排気微粒子・・発がん性がある物質 → 含まれない
アルデヒド・ベンゼン・・含まれない
炭化水素・・微量
これらを聞いてもピンとこないかも知れませんが、電気自動車や天然ガス自動車と同レベルだと言えば、LPGがいかにクリーンな燃料であるかがお分かりいただけるかと思います。
ここがポイント
ポイント③:盗難の心配が無い
ガソリンや軽油などは価格が高騰すれば盗難の心配がありますが、LPGの場合は「一般車両では使用できない」こともあり、そのような視点でもLPGが選ばれているようです。
LPGの基本的なこと
ここまで「LPG(LPガス)」と言う言葉を使用していますが、LPGの事を「プロパンガス」と呼ぶ方も多いのでは無いでしょうか?

LPGボンベ(シリンダーとも呼ぶ)の中には、液化石油ガスの「プロパンとブタン」が含まれている事もあり、LPGもプロパンガスも同じ意味として使用する事には問題はありません。
また、家庭用のLPGにはプロパンの方がブタンよりも多く含まれている事もあり、プロパンガスと呼ぶ人も多いようです。
注意が必要
工業用のLPガスは「ブタンが主成分」となるため、ブタンガスと呼ぶ人もいます。
因みに、家庭で使用する「100円ライターやカセットガスコンロのボンベ」はブタンが使用されています。
非常用電源にLPG発電機をおすすめする理由
LPGがクリーンなエネルギーである事について解説をしましたが、非常用発電機にも車と同じように「ガソリンや軽油」を燃料とするものがあります。
しかしガソリンや軽油は、LPGと比較をした場合に多くの排気ガスを出すこともあり、環境への配慮を考えるのであれば「LPG発電機が非常用電源」に最もふさわしいと言えるかも知れません。

運転時の騒音が静か
発電機の欠点は「エンジン音」です。
LPG発電機とは言え大きなエンジン音はしますが、軽油などの燃料を使用する発電機と比較をするとLPG燃料のエンジンは静かだと言われます。
注意が必要
※実際のエンジン音⇩⇩⇩ 音量に気を付けてください
このLPG発電機のエンジン音で騒音レベルは「59.5㏈(デシベル)」ですが、同クラスの発電機(軽油など)の場合は80㏈(デシベル)程度が一般的です。
そのため、非常用電源として使用する場所が「住宅街やオフィス街」などの場合は、少しでも騒音が小さい「LPG発電機」を選ぶ事がおすすめだと言えます。
※騒音に関する記事はこちら⇩⇩⇩(ガソリンを使用した発電機の音も確認する事ができます)
LPGは災害に最も強い燃料
LPGは災害に強いと言われますが、その理由は・・
ここがポイント
ポイント①:全国どこでも容易に手に入れる事が出来る
凡そ2,200カ所の充填所があり、このうち15%の充填所には「非常用電源と緊急用通信設備」が配置されていることもあり、大きな災害が発生した場合でも復旧が早いとされています。
ここがポイント
ポイント②:長期保存に最も適した燃料
LPGは長期間の保存に対して劣化がしないこともあり、災害時用の燃料としては最適です。
ガソリンや軽油の場合は長くても半年程度で劣化するため、災害時用の備蓄燃料としては不向きだと言われます。
ここがポイント
ポイント③:持ち運びが容易
LPGはボンベ(シリンダー)に充填されているため、持ち運ぶ事が容易に出来ます。
また、10㎏の大きさのボンベ(シリンダー)であれば2本までなら「取扱いの資格は不要」なので、この事からもLPGの安全性が分かります。
まとめ
この記事では、非常用電源はLPG発電機がおすすめの理由について解説をしましたが、最後にこれまでのポイントと、デメリットについても整理しておきます。
記事のまとめ
○ LPGガスはガソリンや軽油と比較すると価格が安い
○ 排気ガスが電気自動車や天然ガス自動車と同レベル
○ LPGにはプロパンとブタンが含まれており、家庭で使用するLPGには「プロパン」が多く含まれるので、プロパンガスとも呼ぶ
○ LPG発電機は、他の燃料を使う発電機と比較すると静か
○ LPGは経年で劣化する事が無いため、長期保存に向いている
○ LPGは全国どこでも容易に手に入る
× LPGは都市ガスと比較すると高い
× ガソリン車やディーゼル車と比べると、LPGを使用する車は「パワーが弱い」
停電対策用のポータブル電源の普及と併せて、「LPG発電機」を全国の自治体や企業に普及させる計画を現在進めています。
また、定置型の発電機だけの用途だけでは無く、携行性を考慮した「電源マルチトレーラー・電源車」の開発も進んでいる事もあり、普及にご協力頂ける企業さまからのお問合せもお待ちしております。
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最後までご覧頂きありがとうございました。