【ポータブル電源】ソーラーパネルの基礎知識②|実は暑さに弱い

2022年5月23日

ソーラーパネルを使って「なるべく多くの電気を発電したい」と考えるのは特別な事ではありません。

ソーラパネルを使えば太陽の光で電気を作ることが出来るので、より多くの電気を発電するためには「とにかく日当たりが重要」だと考えがちですが、実はそうではありません。

意外に思う方も多いのですが、ソーラパネルでより多くの電気を発電するためには日照条件以外にも重要なポイントを抑える必要があります。

※ソーラパネルの基礎知識①はこちら⇩⇩⇩

合わせて読みたい

この記事ではポータブル電源でソーラパネルを使用する際に気を付けたいこと「ポータブル電源のソーラーパネルの基礎知識②|実は暑さに弱い」について解説をします。

記事のポイント

 暑さに弱いソーラーパネル

 ソーラーパネルの表面温度が上昇しないようにする?

 ソーラーパネルのメンテナンス

なるべく専門用語は使用せず分かり易く解説をしますので、既にポータブル電源でソーラパネルを使用している方、これからポータブル電源のソーラパネルの購入をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

実は暑さに弱いソーラパネル

ポータブル電源のソーラパネルを使用する際は、「より多くの電気を発電させる」ために直射日光が当たる場所を選んで設置をするのですが、ここで注意が必要なのは「温度」です。

一般的に、ソーラパネルで発電される電力量については「真夏は発電量が多い」と思われがちですが、それは「誤った情報」です。

正確な情報(知識)としては「実は暑さに弱いソーラーパネル」が正解となります。

ここがポイント

一般的に使用されるシリコン系の中でも「アモルファス」やシリコン以外の「化合物系CIS」は熱に強いとされています。

Portable-power-supply-instructions
※Eco Flow 400Wソーラーチャージャー:取扱い説明書より引用

上画像はポータブル電源に使用されるソーラーパネルの取扱い説明書を一部抜粋したものですが、標準試験条件に25℃の記載がある事がわかります。

25℃の意味は?

 ソーラーパネルの性能を表す際に「測定時の温度は25℃」と国際的に決められている

そのため、各社のソーラーパネルは発電効率を最も高く発揮する際の温度:25℃で開発・製造を行っていることもあり、25℃がソーラーパネルにとっては理想的な温度と言えます。

シリコンは熱に弱い

国際的な条件に「測定時の温度は25℃」と決まりはありますが、そもそもシリコンには「熱に弱い特徴」があるのです。

シリコンは高温によって「性能が低下」する性質を持っているため、一般的には「温度が1度上昇すると発電量は0.5%低下する」と言われています。

用語の解説

・シリコン・・「高温で溶かしたケイ石」を時間をかけて冷却したものから作られた結晶
・ソーラーパネルの解説で使う「シリコン」・・シリコン系の半導体のこと

半導体とは?

 電気を通しやすいもの ⇨ 銅や銀などは「導体(どうたい)」

 電気を通しにくいもの ⇨ ガラスやゴムなどは「絶縁体(ぜつえんたい)」

 その中間にあるもの ⇨ シリコンなどを「半導体(はんどうたい)」と呼ぶ

この半導体がソーラーパネルには使用されるのですが、「半導体は条件が満たされれば電気を通す」性質を持っており、ソーラーパネルの場合は光を当てる事で電気を通す」ことができるのです。

このことからも、ソーラーパネルは「熱」ではなく「光」が必要な事が分かります。

「25℃」は何処の温度?

ソーラーパネルが熱に弱い事は解説しましたが、25℃や温度とは何の温度?なのかについても解説をしておきます。

ソーラーパネルの解説に使う「温度」や性能を示す際に使われる「温度」の全てが「ソーラーパネルの表面温度」の事を指しています。

ここがポイント

真夏の外気温が30℃以上の場合 ⇨ 表面温度は60℃~80℃に達する事があります。

✽「1度で発電量が0.5%低下する」場合の計算方法 【外気温32℃ 表面温度60℃の場合】

step
1
60℃(表面温度) - 25℃ = 35℃

step
2
35℃ × 0.5 = 17.5(%)

注意が必要

このような条件下でソーラパネルを使用した場合は、発電効率が17.5%も低下すると考えられます。

Portable-power-source-solar-panel

ここがポイント

ソーラーパネルの表面温度:25℃が最も理想的な温度です。

表面温度の上昇を防ぐ工夫

ソーラパネルは「光」があれば発電することが出来ることから、ソーラパネルの表面温度が高くなり過ぎた場合には温度を下げる工夫も必要です。

ここでのポイント

 アスファルトなどの「舗装された場所」へソーラパネルを直接置かない

 表面温度が高い時は「日陰へ避難」させる

 風通しの良い場所に設置をする

 保冷剤などを使用して表面温度を下げる

また、ソーラパネル本体が「防水規格」を取得しているのであれば「水で冷やす」のも効果的ですが、その際は必ず「取扱い説明書」などを確認してください。

※ポータブル電源の防水規格に関する記事はこちら⇩⇩⇩

合わせて読みたい

ソーラパネルのメンテナンス

ソーラパネルについては、消耗品やオイル交換などのメンテナンスを伴わない事から「メンテナンスフリー」と思う方も多いようです。

しかし、ソーラパネルのセル(ソーラーパネルを構成する「最小の単位」の事)同士は直列に接続されている事から、少しの汚れでも発電量が低下することがあります。

※直列に接続・・電気の通り道が一本しかないこと

そのため、ポータブル電源のソーラーパネルを使用した後は、パネル表面のメンテナンスをこまめに行う事がおすすめです。

まとめ

この記事では【ポータブル電源】ソーラーパネルの基礎知識②|実は暑さに弱いについて解説をしましたが、最後にポイントを整理しておきます。

記事のまとめ

 ソーラーパネルは暑さに弱い

 ソーラーパネルに使用される「シリコン」が熱に弱い

 ソーラーパネルの表面温度は「25℃」が適温

 ソーラーパネルを効率よく使用したい場合は、表面温度が上昇し過ぎないように注意する

 ソーラーパネルの表面は、常にきれいにしておく必要がある

ソーラパネルは真夏が一番発電してくれると考える方も多いようですが、解説した通り「ソーラパネルはとても温度に敏感」なのです。

そのため、真夏の炎天下で終日使用した場合などは「思いのほか発電できなかった」と感じることも少なくありません。

また実際は、3月~5月の使用がベストシーズンとされており、使用する場所(地域)によっては「冬がベスト」な場合もあるので「夏=発電量が多い」と思っていた方は、これをきっかけに使用方法について見直す必要があるかも知れません。

最後に、ポータブル電源の購入や使用方法については「誤った情報」が錯綜している事がありますので、少しでも不安な方はメーカーや専門店に確認するようにしてください。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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