防災用(停電対策)に「移動型蓄電池・ポータブル電源」を常備される家庭や企業も増えてきましたが、ある会社の調査では「興味があるが購入はしていない」と回答した方が30%を超えるなど、充分に普及したとは言い難いのが現状です。
※停電時に使いたい「家電」についてはこちら⇩⇩⇩

ところが、移動型蓄電池・ポータブル電源を常備されている方でも、停電対策の盲点と言われるのがトイレの使用です。
昔ながらのトイレ(和式・タンクのあるトイレ)であれば電気を使用しないので「問題は無い」と思う方も居ますが、必ずしもそうとは限りません。
この記事では、停電対策に欠かせない移動型蓄電池・ポータブル電源とトイレの使用について解説をします。
停電時にトイレの使用は出来るの?
下の表は、2018年に発生した北海道胆振東部地震時の停電被害に於ける調査結果の一部を抜粋したものですが、「トイレの水が流せなかった」との調査報告があります。
※令和2年に一般社団法人日本総合研究所が出した報告書。

この施設の場合は、水を送るモーターが必要な「浄化槽の設備」を使用していたため、停電時にトイレの使用が出来なかったようです。
※表をクリック:調査報告書が閲覧できます。
一般家庭でも使用される浄化槽
先程の例は「施設における事例」でしたが、一般家庭でも浄化槽を使用される地域は勿論あります。
先ほどの調査報告とは違い、一般家庭(受水槽などの設備を必要としない建物を含む)の停電に於いては浄化槽がある場合でもトイレを使用することが出来るのですが、使用の際は注意が必要です。
停電時は浄化槽本来の機能が著しく低下しているため「異臭が発生する原因になる」ことや、使用頻度が多いと「浄化槽内の汚水がすぐに満水」となることがあるので、普段通りに使用できるわけではありません。
このように、浄化槽設備のある一般家庭に於いても、停電時のトイレの使用には問題があると言えます。
※浄化槽の設置状況は全国で7,573,286基(令和元年時点):環境省より
浄化槽以外でも注意が必要なトイレ
都心部では「浄化槽」に馴染が無い方も多いのですが、トイレの使用が停電対策の盲点となる理由はタンクの無いトイレ(以下:タンクレストイレ)を使用している場合です。
各トイレメーカーも「停電対策」は考えているため、手動で水を流したり乾電池を使用することで最低限の使用が出来るものはあります。
ところが、トイレを一度使用した後は「バケツで水を給水する作業」が必要なものや、そもそも停電対策がとられていないトイレもあるので、自宅や会社で使用しているトイレについては事前に確認することがおすすめです。

昔からある「給水タンク式」のトイレであれば、停電時でも使用は出来るのでご安心ください。
トイレ用のポータブル電源
防災用(停電対策)に「移動型蓄電池・ポータブル電源」を購入される方の中で、トイレ用のポータブル電源を考えている方は少ないかも知れません。
先の解説の通り、浄化槽設備やタンクレストイレの場合は使用に制限がある事から、長時間に渡る停電が発生した場合は生活に支障を来します。
- 浄化槽を使用したトイレ ➡ 異臭の発生や満水で使えなくなる
- 停電対策のあるタンクレストイレ ➡ 子供やお年寄りでも使えるか?
- 給水作業を一人で出来るか?
そのため、トイレ用にポータブル電源を備える事も重要なのです。
浄化槽とトイレの消費電力
ここでは浄化槽(家庭用:5人槽~7人槽程度)の消費電力とタンクレストイレの消費電力を確認しておきます。
✽浄化槽の消費電力 ・・40W~80W程度
✽タンクレストイレの消費電力・・300W前後~1300W程度(暖房便座等の機能を使用する際)
最低限の使用を考えるのであれば、ポータブル電源に求められるAC出力は500Wh以上のものが必要になります。

トイレの防災用(停電対策)に必要なポータブル電源について
トイレの防災用(停電対策)に必要なポータブル電源としては次のような条件が考えられます。
- AC出力500Wh以上 ※但し、浄化槽やお使いのトイレの定格消費電力を確認する必要があります。
- 子供やお年寄りの方でも使いやすいシンプルなもの。
- 浄化槽の電源(外部)まで持ち運べるサイズ(重さ)。
ここでは2つのポータブル電源について簡単にご紹介しますが、搭載容量(蓄電容量)は必要に応じて選ぶ必要があります。
※搭載容量(蓄電容量)が小さなポータブルはこちら

RIVER Plus(上左)の場合、搭載容量(蓄電容量)が360Whと比較的コンパクトなため重さも5㎏程度しかありません。
そのため、子供やお年寄りの方でも簡単に持ち運べる事ができるのでトイレの停電対策にもおすすめです。
※ポータブル電源の選び方はこちら⇩⇩⇩

まとめ
停電時におけるトイレの使用については「その時にはじめて気づく」ケースも多く、一人暮らしのお年寄りや大所帯の家庭では「思いのほか苦労をする」事が考えられます。
臭いの問題を無視した使用(浄化槽)や応急的な使用(タンクレストイレの場合)は「苦肉の策」と言えるため、自宅や会社で浄化槽やタンクレストイレを使用されている場合は「トイレの停電対策」も考えておくことが必要です。
最後に、防災用(停電対策)では大容量の移動型蓄電池・ポータブル電源を検討される方もいますが、実際の用途を考えた場合に於いては「小型のポータブル電源」の方が便利な場合もあるので、購入を検討される際は搭載容量(蓄電容量)以外のことも考えてみては如何でしょうか。
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